飴・キャンディ研究所

お客様インタビュー 養命酒製造株式会社 養命酒製造クロモジのど飴

お客様インタビュー
養命酒製造株式会社

養命酒製造クロモジのど飴

薬用養命酒で多くの方々に親しまれている養命酒製造株式会社様は、2018年秋より「養命酒製造のど飴」を販売。今回2020年9月から「養命酒製造クロモジのど飴」へと商品をリニューアルされたのを機に、のど飴に関する開発の経緯や思いについて取材させて頂きました。

まずはじめに、養命酒製造株式会社様について教えてください。

田辺様

「薬用養命酒」の販売を主な事業としています。
「薬用養命酒」自体は1602年に創製され、法人としては1923年に設立し、今年で97年目になります。
現在は「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」ことを経営理念と定め、この考え方に沿う商品開発を進めています。
「薬用養命酒」の他、長年行ってきたクロモジなどのハーブの素材研究や伝統的な薬酒づくりの製法である合醸法などを活かした商品を届けています。また近年は、よりお客様に近いところで健康生活に貢献できるようダイレクトチャネルにも力を入れています。

松村様

もとより弊社はお客様とのつながりを大事にしています。「お客様相談室」はかなり早い段階で設置しました。お客様からのおはがき等も直接の手段としてマーケティング活動に活かしています。そういった経緯もあり、今後はダイレクトチャネルによりいっそう力を入れていきます。

田辺様

消費者はがきは「薬用養命酒」の箱の中に同封されていますが、月に2500~3000枚程返送頂けています。送付頂いたお客様全員に担当者4名でお返事を書いているので、お客様相談室は結構大変です。しかし直接のお声を聞かせていただけることはとてつもない財産だなと思っています。

養命酒製造株式会社
研究所

日進乳業はOEMが主体の会社となります。弊社とお客様との間には小売店様、問屋様、ブランドメーカー様が通常いらっしゃるので、お客様から一番遠い位置に弊社はおります。
大変だと思いますが、その直接の情報が蓄積されていくのは、開発主体の部署からすると羨ましいです。またそういったところにも、100年の重みを感じます。

松村様

「薬用養命酒」に関しては、“飲んで調子がよくなりました、ありがとう”という言葉や、「養命酒製造クロモジのど飴」についても、味がおいしい等と嬉しいご報告をいただけることも多いので、お客様を近く感じられるなと常々感じています。

研究所

DtoCに関しては、アマゾン、楽天等は使わず自社サイトになりますか?

田辺様

弊社が運営する「くらすわ」ブランド商品と通販独自の商品は自社サイトになります。弊社独自の商品開発に力を入れ、スーパーでは買えないものを取扱っていきたいと思います。
「薬用養命酒」については現状の販売ルートを重視しているため、自社サイトでは売っておりません。

くらすわ

今年4月からクロモジを普及するクロモジ推進室が発足されたとのことですが、クロモジの代表的な特徴を3つ教えてください。

松村様

1つ目に日本固有の植物で北海道から九州まで日本の各地に自生していること。健康茶や楊枝の素材として古くから親しまれてきました。また人の手で整備された、適度な陽当たりの森林に生息しやすいため、クロモジを活用しようとすることが里山保全につながると考えています。
2つ目には「爽やかな森の香り」。クロモジの精油には心身のリフレッシュ・リラックス効果が期待できます。
3つ目にポリフェノールなどの有用な成分を含んでいる健康素材であることです。

研究所

クロモジ推進室はマーケティング部内から独立されたとのことで、クロモジ研究にかなり力を入れていることがうかがえますが、御社にとってクロモジとは何ですか。

松村様

クロモジは「薬用養命酒」に最も多く使用している生薬である「ウショウ」の原料植物で、弊社の生命線のようなものです。弊社と切っても切れない関係です。
クロモジは長年研究を行う中で様々な成分が分かっており、非常に面白い素材です。まだまだ研究の余地が多く、商品展開においても大きな可能性を感じています。

ウショウ

なぜ今回クロモジ事業の第一弾の商品として、キャンディーを選ばれたのですか?

田辺様

そこなんですよね。クロモジを研究していたら、ポリフェノールなどの健康成分があることが分かりました。健康成分があるならば、手軽に楽しんで喫食してもらえる形態がいいよねと飴を選びました。

松村様

開発する商品は、お客様により身近に感じて頂きたいという想いがあります。「飴」は抵抗なく買って頂ける商材で、また、持ち運びができ長く口の中にとどまることができるのも良い点です。

研究所

7月にオープンした飴・キャンディー研究所のコンセプトは「優しく、ゆっくり、寄り添うお菓子」。飴は非常に古くからあるというのもあるが、口の中に滞留して長く味わって頂くものというものでもあるので、サイト設計でもそのような位置づけにしているが、今回そのコンセプトに沿った形で養命酒製造さんがクロモジエキスを使い、飴にされたという話が聞けて嬉しいです。

田辺様

今口腔内においては様々な研究がされており、唾液で口の中を湿らせていることが、口腔内の菌の付着増殖を抑える有効な手段ともいわれているので、飴の業界が盛り上がるように働きかけていきたいと考えています。
今年、クロモジ推進室が発足したので、クロモジの魅力を研究・発信していく予定です。
クロモジを使用した商品である飴とクラフトジンの2つを中心にクロモジ事業を発展させるべく、弊社としては力を入れていきます。
今期は予算をかけて、この商品をきちんと認知させていくという活動をしていきます。「薬用養命酒」に代わる第2の柱をそろそろしっかり作っていきたいというところで、「養命酒製造クロモジのど飴」はそのいくつかある候補の中の有力な1つと考えています。

田辺様

キャンディー商品を実現するために、日進乳業を選んだ理由を教えてください。日進の存在を知られたきっかけや、利用する決め手となったものは何ですか?

松村様

飴開発にあたり、商品・HP・資材メーカーさんに紹介いただくなどの方法で委託先を探しました。今回3~4社さんへ声をかけさせて頂きましたが、その中で、レスポンスが早く、コストも明瞭に出して頂けました。試作についても新規の素材について柔軟に対応して頂き、クロモジ自体の味に課題があるにも関わらず、真摯に何度も試作して頂けました。センターインの技術を持つというところは前提でしたが、課題に関する解決策、いわゆるコンサルティング的な要素も含んだ対応が決め手となりました。

商品仕様の決定にあたり一番こだわられた部分 (ポイント)はどこですか?

松村様

一番は「味」です。味の面が非常に課題で、いろいろな味を試作しましたが、当社らしさもある飴となると、なかなかおいしくなりませんでした。さらにクロモジエキスはポリフェノール等の渋い味がする素材なのですが、配合量は決まっていたので減らすわけにもいかず・・・。クロモジエキスの味とどのように飴をあわせておいしくするか、とても苦労した点です。この渋い味のする素材を配合しても舐めやすい味というのが一番のこだわりです。今の味はお客様からもご好評いただいています。

研究所

確かに、クロモジエキスが入っているのにすごく舐めやすいですよね。手前味噌ですみません。

田辺様

そこなんですよ。それができなかったら、飴をあきらめていたかもしれません。

松村様

お客様はおいしくないと舐めてくださらないので。特に飴は、口の中に長時間入れるものですので、美味しくないと積極的には摂ってもらえないと思っています。

田辺様

今回の飴は本当によくできているなと。クロモジエキスを入れれば、美味しくなくても良いというものでもないよね、というのが社内の共通認識でした。その中でこの飴は、両方を満たしていると感じています。
それもこれも御社の技術力あってのものだと思っています。

養命酒株式会社

包材デザインを作成するにあたり一番こだわられた部分 (ポイント)はどこですか。

松村様

弊社のもつブランド力には、「元気」とか「健康」というイメージがありますので、そのイメージがしっかり伝わるように設計するというのはもちろんなのですが、やはり「色」は、弊社とリンクさせるのに重要な要素だと思っています。社名とパッケージの色については、デザイナーと一番こだわったところです。

田辺様

のど飴を舐められる方は、比較的高齢層の方が多いじゃないですか。それならばまさに安心安全が伝わりやすいパッケージになるよう心掛けました。

研究所

確かにそうですよね、パッとみて、御社の製品だということがわかりますよね。

田辺様

パッケージがシンプルなため、弊社の商品であることがわかりやすいというお声を頂いております。また、店頭でも目立つデザインに仕上がったと思っております。

商品が完成して、実際に手に取られた時のお気持ちや、社内の反応はいかがでしたか?

松村様

社内の反応という面では、当社らしい商品との声がありました。パッケージも、味も、商品の裏にあるストーリーもしっかりブランドイメージと合致したと捉えられています。営業部隊以外の部署、総務などでもお土産などにも使いやすいし、一目で養命酒製造の商品だとわかる良い商品だという話が出ています。

長年研究してきたクロモジの商品第一号ということもあって、思い入れも非常に強い商品です。クロモジの研究は長く続けていたけれども、活用方法がなかなか見いだせない状況でした。そういった状況の中でのど飴が味としても、コンセプトとしても非常によいものができたという社内外の評価がありましたので、開発に関わってきた担当のメンバーの喜びは本当にひとしおだったと思います。

会社全体としてもクロモジ商品第一弾として嬉しい商品だという印象です。
私もようやくできたと、一番うれしかったです。

松村様
研究所

「養命酒製造クロモジのど飴」は食品の分類になると思いますが、今回の商品を作られる前と後とで食品事業の社内での変化はありますか。

田辺様

私は当時営業部署におり、最前線で営業活動をしていました。調剤薬局を全国行脚し、5000店舗ほど一気に導入して頂きました。相当頑張りましたが、全社員しっかり売ろうというところで一致団結している感じはあります。

実際にお客様の反応はいかがでしたか?

松村様

多いのはやはり、味がおいしいという評価ですね。弊社のブランドには健康感を求められている方が数多くいらっしゃいますので、そういうお客様からみても、商品展開の方向性に納得頂けているという印象です。

研究所

「薬用養命酒」は、長い期間愛飲されるお客さんが多いことを考えますと、「養命酒製造クロモジのど飴」も同じように長く食べ続けて頂けるといいですね。

松村様

お客様相談室へは「薬用養命酒」を飲んでいる方の娘さんからもお手紙を頂いたりします。嬉しいことです。「養命酒製造クロモジのど飴」も「持ち歩くあめちゃんポーチに入れる飴に加わりました」、というお客様のお声も頂いていますので、「薬用養命酒」のようにライフタイムバリューが高い商品に育ってくれるといいなと思います。

加藤様

現在、「薬用養命酒」の購買層は比較的年齢の高い方メインになっていますので、
「薬用養命酒」を飲んでいない20代、30代が、「養命酒製造クロモジのど飴」を食べることで、「あ、養命酒製造の商品ってこういう味なのね」、と認知してもらい、のちのち弊社のファンになっていただく架け橋のような商品になってくれればいいなと思っています。

今年度はWebコンテンツを充実されていくということですが、「のど活」についてはどのような展開を考えていらっしゃいますか?

加藤様

Webコンテンツののど活については、現在掲載されているのど活講座やのど飴に関する座談会等のコンテンツの他、別の施策も考えております。コアターゲットの50代60代の方へのコミュニケーションを増やしていくというのはもちろんなのですが、一方でクロモジに関する活動にも力をいれていきたいとも思っています。

加藤様
松村様

先述しましたが、クロモジの特徴として、日本固有種で北海道から九州まで自生しています。クロモジ推進室はクロモジを世の中に普及させ、様々な方面からのPR活動をサポートしていく予定です。

 

今後キャンディー商品を増やしていくお考えはありますか?キャンディー以外にも、こんな食品の販売をおこなっていきたい・・・という案があればぜひ教えてください。

加藤様

次の商品を出していきたいねという話はしていますが、今はまだ明言はできない状況です。
現在クロモジに関しては、食品では飴、酒類ではクラフトジンなどを販売しています。
今後についても、のど飴のようにお客様が親しみやすいものであったり、なるべく生活に取り入れやすいものを考えています。クロモジは本当に良い素材なので、お客様のためになる商品ができそうであれば、積極的に提案していきたいと考えています。

最後に今回、日進乳業を利用されていかがでしたでしょうか?

松村様

飴についての知識が全くなかったので、御社の技術力に本当に助けられました。
スピード感のある試作や、賞味期限の設定試験等の対応には非常に感謝しています。また特に初めて使う原料を効率よく確実に混ぜ合わせる技術の提案、味づくりのオーダーに対して的確であったこと、飴業界の市場性などについての助言等、コンサルティング的な要素を含めお力添え頂き感謝いたします。

今後の日進乳業に期待することは?

松村様

1つ目にのど飴市場全体を協力して盛り上げていきたいと思っています。
2つ目に飴の新技術業界初のようなものが今後あればぜひご紹介頂きたいです。
3つ目に今よりも、よりおいしくなるような製法方法の発見をお待ちしております。

研究所

承知しました!
よりおいしくなるような製法方法を発見したら、連絡させて頂きます。この度はインタビューに御答え頂き、ありがとうございました。

皆様

今後ともぜひどうぞよろしくお願いいたします。